『フリーネ』の漫画関連情報のメモ
昨日国会図書館に行ってみた。19時閉館と思ってたが17時だった…ので詳しく読めんかった。主に漫画の情報をメモしてきた。
全体の構成
簡単にまとめると、
- インタビュー2本:松浦理恵子、シュー・リー・チェン
- 小説8本:「天使の天敵」「モノクローム」「天国への螺旋階段」「ジューン・ブライズ」「姫百合たちの放課後」「デヴィエーヌの幻影」「レディキラー・レディ」「渇き」
- 漫画15本:「リカって感じ!?」「女の子のたのしみ」「P=NP?」「サリューん〜ほしふる宇宙〜」「NOMIA」「浮遊するからだ」「人形店」「ギョーカイ通信」「とりさんとりさん」「妹の結婚式」「リリカとちひろのトキメキ♥ライフ」「人形たちの部屋」「華清残照」「意地悪な神様」「森へ帰ろう」
- エッセイ4本:「ポルノとキャンディ」「ああ、マンボウな日々…」「チョト待テクダサイ」「『レズビアン』って誰のこと?」
- READING:
カルチャー・ガイド
「フリーネNetwork」に位置する。 同人誌、コミック、BOOK 日本編、BOOK 海外編との4章で構成されている。執筆者は本誌編集者の彩女さんと萩原まみさん。
まずタイトルの横にこういった前書き(?)が書かれている。
流行っているかいないのか、以前に比べれば着実に増えつつある♀♀カルチャー。♀♀の手による共感できる作品がまだまだ少ないのが残念だけど、フリーネ編集部のオススメ作品をジャンル別に紹介するね!
同人誌
女性による♀♀モノはまだ全然少ないみたい。 ♀♀本のルーツは今から7〜8年前、かわいい服を好む女の子たちが作っていたピンクハウス本なんだって。 もう一つはやおいから派生した。 現在の流行りはセーラームーン、赤ずきんチャチャ、レイヤース。
- セーラームーンアンソロジー「ルナティック・パーティー」
- 「少女草紙」人形写真
- 「さみしい手足」漫画、日常の心の揺らぎ
- 「LAVENDER OF ROMANCE・2」スフレとバイク買いに行くエピソードがユニーク。
- 「LABRYS」の『XX(くすくす)』♀♀による♀♀用語解説や対談
コミック
BOOK 日本編
最近♀♀の本多いよね。
'92の「ゲイの贈り物」、'93の「耽美小説・ゲイ文学ブックガイド」以降のものを最新として紹介
- 「猫背の王子」
- 「微熱狼少女」性描写を力強く
- 「ソドムとゴモラの混浴」
- 「業火」♀♀因果な部分だけを強調、最近と思えないネガティブさ
- 「包帯を巻いたイブ」自意識が同性愛に邪魔
- 「あぶない学園」シリーズ
- 「バガージマヌパナス」
- 「魔法使いが落ちてきた夏」
BOOK 海外編
本誌のコミックについて
ほとんどが数ページの超短編で、4コマが数本、ポエムに挿絵をつけるみたいなの(専用名称あるのかな…)と数枚の絵を並べただけって感じなのもある。
ちゃんとした「ストーリー漫画」は少ないだね。印象的モノをピックアップしてみよう。
(著者をメモし忘れてごめんなさい…今度行ったら補完する…)
以下、ネタバレ。
『リカって感じ!?』
短いけど、本誌のコミックの中に一番有名なものかもしれない。ググればwikiページも出てくる。
話はリカが2丁目デビューして、誤解で初めて知り合ったミホちゃんを自宅に連れて帰る、という数ページ分の簡単な話だ。
『女の子のたのしみ』
グラスやケーキやレースなどの例を通じて、女の子の間にある五感と感情の共感を描き、 それは「男ではわからない」、「男にはわからせてあげない」と、女同士関係の特別性を主張するもの。 もちろんストーリーではない。
『P=NP?』
タイトルが示唆している通り、数学系の主人公が好きな相手に告白して、付き合うことになったが、 相手の気持ちを確信できず、不安のなかを過ごし続ける自分はどうすればいいか、という難問を、 相手が打ち解けてくれたはなし。短いので展開はシンプル。
『浮遊するからだ』
個人的に一番好きな作品。まぁ他より長いのも大きいだが…
死んだ友達理恵にペニスがあって、彼女とセックスする夢を見た。それが「全て生前私が彼女に期待してたことだ」。目覚めた主人公は男のベッドにいる。
回想:主人公はりえが好き、理恵は陽子が好き、でも陽子がのんけ。主人公は理恵を遠ざけるために男と付き合いはじめ、でも心は満たさない。
男のベッドで目覚めた主人公は思う、男としか寝たことない、ペニスでのセックスしか知らない。「体はペニスに馴なされて、心は理恵を求めてやまない」「なんてマヌケな女なの」
結婚する陽子から連絡がきて、会って話し合う。陽子は理恵にキスされてひどい拒みかたした罪悪感を告白。 主人公「陽子、キスしていい?」と聞き、自分も男好きだから安心してと嘘ぶって二人はキスする。「理恵の愛した陽子に触れてみた」
おわり。
いやいや、これはマンガ専門誌に乗せても全然目を引ける良いストーリーモノだよな。 最後のキスは、忘れられない亡き人に触れたいのと、異性愛者を偽装してりえの失敗したキスを「成功」させるといった2重の意味で痛々しい… たまんねぇ…(おい)
『妹の結婚式』
リアル系のストーリー。母へのカミングアウトも描かれている。 最後にある妹との対話が重要。
妹「男も女も好きなら関係ないよね」
主人公「それはちょーっと違うなあ」
感想
まず目的である百合漫画紹介については、収穫がなかった… そもそも Lily Matrix さんは絶対フリーネを読んだことあるから、情報を漏らすわけないだろう。 でもここでしか読めない『浮遊するからだ』を読めたのは嬉しい。(じゃなんで先生の名前を覚えんだよ!)
漫画以外はざっと眺めただけの感じだけど、全体のイメージとしては、「前向き」と言ってよいだろう。 まぁ本誌が誕生できた自体が結構希望のあることなので、それはそうか。
内容の振れ幅・バランスも結構いいじゃないかなと感じる。 Vol.1 だから寄稿者も張り切ってるというか、構成を考えられるリソースの余裕があるというか。 Vol.2 になると、明らかに内容の不足で、文通コーナーが四分の一くらいを占めるほどバランスが壊れた…(四分の一はただの感覚)
機会があれば残りの内容も読みたい。